(株)シイ・アイ・シーは、当グループの自社ブランドである「ロアールシリーズ」を中心に、以下のような建物管理業務を行っています。
分譲マンションでは新築引渡し後、デベロッパーの規約に従って保証期間が部位ごとに定められています。それに沿って、築半年、1年、2年、5年、10年目にデベロッパーと建築会社による点検が行われます。下表が一般的な部位とその保証期間です。
部 位 | 現 象 | 保証期間 |
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外廊下・バルコニー・ひさし 外周壁・耐力壁・柱 屋上・屋根・ルーフバルコニー 外部床仕上 内部壁 |
雨漏れ モルタルやタイルの亀裂 錆・塗装のはがれ タイル、石貼の浮き、はがれ 排水不良・ふくれ 排水不良・亀裂・沈下 変形・亀裂・はがれ |
2年 2年 2年 5年 2年 2年 2年 |
大規模修繕工事とは、新築から10年から20年程度で行う、外装・防水・設備工事などで、マンション全体を同時に行う、大規模な工事です。建物は建てた瞬間から劣化を始めます。ですから、ある程度劣化した時点でその劣化を修復し、その劣化の速度を抑える目的で行うのが大規模修繕工事なのです。入居者に安全で快適な暮らしを送ってもらうため、マンションを出来るだけ良い状態で長持ちさせる(資産価値を維持する)ためには、必要不可欠な工事です。
マンションの外壁がタイル貼りの場合は、凍害による割れや雨がしみこむことで、タイルが浮き上がり落下する危険性があります。外壁の洗浄・塗装に当たっては、見栄えだけではなく危険個所の修繕作業も必要となります。こうした外壁の修繕などを怠ると予想を超えた劣化が進行し、居住性能を下げ、ひいては建物の資産価値の下落を招きかねません。また、入居希望者の判断はマンションの見栄えに大きく左右されますので、洗浄や塗装による効果は賃貸需要に重大な影響を及ぼします。
マンションやビルなどでは新築工事の際に防水工事を行っていますが、年月を経るごとに雨水の浸食が進み、雨漏りや漏水等の被害が出てきます。この工事ではコンクリート層の上に新たな防水層を構築し、以後の水分の侵入を防ぎます。
亀裂は、金属製手摺の動きや寒暖による膨張収縮など様々な要因により発生するものであり、コンクリート建物にとっては不可抗力的なものがほとんどです。亀裂の幅が0.3mm以下の補修は、(1) 亀裂の発生場所を中心にして幅3.0mm程度の範囲の塗膜を入念に除去 (2) 清掃 (3) アクリルカチオン系下地調整材を練り混ぜ、亀裂部分にパベラ・金ベラを用いて入念に充填します。
階段には、塗装以外に防滑性、遮音性を高める機能を持つ床材を貼ります。
マンションを維持するためには、いつ、どの部分の修繕が必要かという計画を立て、その計画にのっとって、修繕を実施していく必要があります。たとえば外壁補修は10年前後、給水管修繕は15年くらいを目安にするなど、30年先までを見すえた計画を立てなければなりません。
これが、「長期修繕計画」(以後、「長計」)と呼ばれるもので、適正なマンション運営には欠かせないものです。「長計」の中で大切なものは、名前の通り長期にわたる修繕の実施計画とその際必要になってくる費用の概算です。
現在、月々支払っている修繕積立金は、このような修繕を実施するときに使われるもので、逆に言うと、修繕積立金が不足していれば、どんなに必要があっても修繕工事を行うことはできません。「長計」は、いざ工事というときに資金不足に陥らないため、また、資金不足のために各戸から一時金を徴収する事態を防ぐため、将来必要なお金を今から少しずつ貯めておく根拠となる重要なものです。
ただし、30年先の工事までを計画するのですから、材料や工法の進歩、工事金額の変化なども十分考えられます。思いの外、劣化が進んでいないこともあり、計画より資金が余ることもあれば、不足資金を補うために修繕積立金を値上げしなければいけないこともあります。
これらのことは全て建物管理会社が勝手に決めることではなく、管理会社のアドバイスのもと、管理総会にて決定していきますので、1年に1度の総会の資料にはしっかり目を通し、できる限り積極的に参加していくことが、ご自分の資産を守ることにつながってきます。